多くのみなさんは、21世紀を生きぬき、22世紀を経験する子ども大学生もいるでしょう。すると、これからの時代はみなさんにとって、楽しくて、夢があって、平和に暮らせるかということが大事です。
もちろん、答えは、このような時代を来させるということです。
今、みなさんは新型コロナのために大変な思いをしています。しかし、ワクチン接種が進むことで、長い時間はかからずにこれまでの生活に戻れることになるでしょう。
すると、前から世界中で言われてきた温暖化の問題が、どうしても解決しなければならないことです。その解決法は化石燃料を使わなくても便利な生活が送れるようにすることです。化石燃料を使わなくてすませるためには、太陽光を使うことが最も良い方法です。毎年太陽から地球の表面に降り注ぐ太陽光のエネルギーは100京キロワットアワーです。今、太陽電池は、このエネルギーを20%の効率で電気に変えることができます。すると、もし、地球表面のすべてを太陽光パネルでおおえば20京キロワットアワーの発電ができます。日本で今使っている電気は年間1兆キロワットアワーです。ということは、地球に降り注ぐ太陽エネルギーの20万分の1を太陽光パネルで電気に変えれば、すべての電気が足ります。ただし、20万分の1と言っても、その面積は東京都の面積の2倍ほどになります。そのための土地として、林業、農業、漁業と一緒に発電することが一つの方法です。もう一つは、表面が太陽光パネルでできた気球を上空に打ちあげることです。これらを実現するためのパネルは開発が進められており、間もなく完成します。
もし、電気が自由に使えるようになれば、車も、家の暖房も、工場で使う熱も電気を使うことができます。
その自動車ですが、電気自動車に変わること、それが自動運転になることになるとみなさんは思えるようになってきていますね。そうすると、これまで、自動車が持っていた、排気ガス、CO2の発生、交通事故、交通渋滞の問題がなくなります。運転免許もいらなくなり、だれでもが、いつでも、どこへでも行けるようになります。車に乗っている間は自由に好きなことができます。ゲームをしていてもいいんです。
わたしは、このような自動車の社会を作るために今でもいろいろな開発をしています。その一つが自動運転可能な格好が良くて、乗り心地が良い電動車いすです。写真に示すのがそれです。この車は乗ったままスーパーで買い物もでき、鉄道に乗ることもできます。もちろん無免許で走れます。なので子ども大学生でも運転ができます。
電動車いすは大きさが、長さ1.2m、高さ1.2m、幅が0.7mに制限されています。また、最高速度も時速6kmに制限されています。このために、これまでの電動車いすは車輪にイスを付けたような形でした。このために、車に衝突したり、溝に落ちて転倒したりしたときに、利用する人の身を守るものは何も付いていませんでした。また、雨や、風、暑さ、寒さを防ぐものも付いていませんでした。それは、高さが1.2mに制限されているために、この、このような形にしかできないと考えられてきたんです。そこで、まず1.2mの高さに人が座れるかを車のシートを作っている会社に図面を書いてもらうと、座席を低くすれば1.8mの身長の人でも座れることがわかりました。それが本当かを確かめるためにべニア板で、模型を作り、そこに人に座ってもらいました。すると、身長180cmで体重100㎏の人でも座れました。そこで、わたしは、座席の高さを低くして、座席を前後させて、前から乗り降りできるようにしました。このような設計によって、安心、安全、快適な車いすとすることができました。
そして、この車が実際に使えるかどうかを確かめるために、車いすテニスの選手だった方に乗っていただき新川崎の研究室を出発して、途中のスーパーで買い物をして、JR横須賀線で馬喰町まで電車で移動し、そこにあるクリニックの先生に診断していただくというシナリオで実際に走ってもらいました。その時の写真を示してあります。
わたしはこのような車を少しずつ普及させることから始めて、最高速度の制限を少しずつ高くし、だれもがいいねと思って使ってくれる車にしたいと考えています。
このような車は、町で普通に使われるようになるでしょう。すると、小学生のみなさんや、高齢者や病人で車の運転ができない人でも安全に、自由に、いつでも、どこへでも行けるようになります。コロナの影響で学校も休校になった時期がありました。テーマパークも休園になりました。自由に買い物もできませんでした。もし、この車を使えば、人と密になることがありません。授業はこの車に乗ったまま受けることができます。ジェットコースターもこの車に乗ったままできます。買い物も、同じく乗ったままできます。病気になって先生に診てもらう時にも、車に乗ったままできます。
みなさんの生活がこんなに変わることになります。
みなさんも、将来はこのような車の研究開発に、是非かかわってください。
(2021年5月記)