2022年度子ども大学かまくら第3回授業
「おしゃべりな魚たち」
講師 瀧澤 博先生( 水中写真家)
2022年9月4日(日)10時~12時
鎌倉生涯学習センターホール
(授業レポート・要約)
皆さん、こんにちは。私は鎌倉生まれ鎌倉育ちです。
地球は陸上が約30%、海が70%でできています。海の中は、素晴らしくて、美しい世界が広がっています。その世界でダイビングして撮った写真を皆さんに見てもらいたいと思います。
テーマは「おしゃべりな魚たち」ですが、海の中の魚たちは写真を撮っていると、私に本当に話しかけてくれたりしている感じになります。そんな写真をお見せしましょう。
僕たちは仲良しだよね♪
これは瓶の中に、ミジンベニハゼという黄色い小さな魚とタコが一緒に住んでいます。何で、タコがこの魚を食べないかって言うと、実はミジンベニハゼの体の周りには毒があるので、タコは食べずに、仲良く一緒に住むことができます。
ぼく、子育てで、がんばってます
キンセンイシモチは、オスとメスが卵を産む瞬間、ずーっと寄り添っています。メスから出た卵をオスがパクッとくわえて、孵化するまで口の中で卵を育てます。オスは、餌も食べずに口をパクパクさせながら、この卵に新鮮な酸素を取り入れて、一生懸命育てているのが、この写真です。
生きるためには、ありがたくいただきます
これは、オオモンハタにカニが食べられた瞬間です。たまたま、私の目の前にスーッと来てくれて、口をパクパクするところでした。
カニは、トゲがたくさんあるので、食べた瞬間、オオモンハタは「ウワッ、痛い」と悲鳴をあげています。
お魚クイズ
Q.イシダイという魚の模様は、たてジマですか、横じまですか?
A.骨と交差するように線が入っているので横じまです。
海の中で撮れるワイド写真
この魚はユウゼンです。着物の友禅染の模様にすごく似ています。日本にしかいない貴重な魚で、伊豆半島では、ほぼ見ることはできませんが、八丈島にはたくさんいて、とてもきれいな魚です。
ワイドな写真は、魚は小さくなるので、濁っている海では撮れません。でもレンズを魚にぐっと近づけることで、きれいな写真が撮れます。
皆さんに伝えたいこと3つ
① 小さな挑戦からで良い。どんどんチャレンジをしてください。
② 海の中も、いろいろな生き物が、みんな仲良く暮らしています。他の人と違うことが個性で、魅力的であると思ってもらいたい。そして周りの人たちと共に生きるという優しい気持ちを育んでください。
③ いま海洋プラスチックが大きな問題になっています。使う側の私たちが、ちゃんと決められたゴミ箱に捨てましょう。
私の写真を見た人に伝えたいことは、明日も頑張ってみようということです。疲れて帰ってきた時に、ちょっとクスっと笑える、癒される、そんな写真を目指して、これからも撮り続けていきたいと思います。
◇ 質問コーナー ◇
Q 4年 すごい小さい魚ってどうやって見つけるのですか?
瀧澤先生 小さい魚を撮りたいってイメージすると、不思議なことに、そのイメージ通りの、すごく小っちゃな魚でも見つけることが出来るんです。現地のガイドさんに情報をもらって自分で潜ってライト照らしながら探しています。
Q 4年 今までダイビングをしてきて一番見て驚いた魚っていますか。
瀧澤先生 目の前に畳が一畳二畳分ぐらいのマンボウが現れたときには、すごくびっくりし、感動しました。南伊豆の神子元島で、何百匹のハンマーヘッドが目の前を川のように流れているのを見た時もすごく感動したのを覚えています。(了)
(文責・菊池みどり 写真・島村國治)