2022年度子ども大学かまくら第5回授業
「石ころを宝石に~ドラマ企画会議」
講師 今井 雅子先生 (脚本家)
2023年2月18日(土)14時~16時 鎌倉学園星月ホール
(授業レポート・要約)
脚本家は「繋げる」仕事
脚本家を動詞一つで表すと、「書く」「話す」「取材する」「まとめる」「広める」「売り込む」。この動詞を全部一つでまとめるとしたら?私は「繋げる」だと思ってます。知識、経験、人と人、そしてアイディア。 私は中学一年の時「あなたには、あなたの色がある」をいう担任の先生の言葉に支えられました。私には個性があるんだって自信がついて、それで人と違うものを書けることが武器になる脚本家になれたんです。
「なんで」「そんで」「へえ~」が大事
脚本は上手い下手よりも、繋げる力、つまり「接点を見つける、作る力」が重要で、想像力が必要です。想像力を働かせるのは『はてな』です。石ころ=ネタを繋げて繋げて宝石にする。拾った石ころのどこを磨いたら面白いかを見つけて磨いていくと、石ころが光っていきます。「なんで」「そんで」「なんで」「そんで」「なんで」って言いながら。あと「へーへー」も大事です。連想ゲームすることによって、?(はてな)と!(びっくり)のスイッチを働かせる、これは学校の授業でもとても大事です。授業中に、「なんで」「そんで」「へー」と頭の中で思いながら授業を聞くだけで忘れないです。
指劇場で想像力を働かせてみよう
では実践として、漢字ドリル作文ごっこをしてみましょう。書いてある漢字を組み合わせて文章を作ります。そうやって繋げていくかで人によって変わります。どんどん思いつくまま言うと、自分でも思いがけない言葉ができます。そして指劇場。これはドラマ作りにやってる事とすごく近い作業です。使えるのは皆さんの十本の指です。主人公の指を決めて、どんな性格、どんな背景を持っているか、何歳か?家族はいるか?兄弟はいるのか?こうやって?『はてな』を立てることによって、皆さんの想像力を働かせています。欲しいものとか夢は、ドラマや映画においてはとても大事です。口癖、喋り方。これはセリフを想像します。
子どもを面白がるのが一番の親
子どもは石ころを拾う天才だなあと思うんですね。よく良い親、正しい親、一番の親を目指そうとするけど、いい加減な親、慌ただしい親でいい。子どもを面白がるのが一番の親でありたいです。自分の子だけじゃなくて、世の中の子も面白がる大人がいたら、もっと楽しい国になると思いますし、「子ども大学かまくら」ていうのはそれをやっている、とても素敵な場所だなと思います。
皆さん、一人ひとり良いものを持っています。それは眠ってる。さっきみたいに「なんで」「そんで」「?(はてな)」を投げかけることによって、自分の中にある面白いものを磨いて光らせることができますよ。
(文責=森 牧、写真=島村国治)