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2015(平成 27)年度 ゼミ学習B   「ジャーナリストになってみよう」


 

 

ゼミ学習B

 

テーマ「ジャーナリストになってみよう」

 

基本的な「文章・記事の書き方」「質問の仕方」などを学び、12月6日の第4回授業の吉屋敬さんのお話しを聞いて記事を書いてもらう。

 

 ◆講師: 横川和夫 先生(子ども大学事務局長・元共同通信論説兼編集委員)

 

 ◆開催日時: 10/31(),  11/28() , 1/16()  (場所;NPOセンター鎌倉)

 

 

〈   「ジャーナリストになってみよう」 第1回 〉

 

  10月31日(土)午後2時から午後4時まで2時間、3回連続講座(こうざ)の第1回講座が行われました。昨年度の試行では12名の参加者でしたが、今年度は4年生は募集(ぼしゅう)せず5年生3名、6年生5名の合計8名が参加しました。


南極・昭和基地で極点旅行隊を取材

最初に講師の横川和夫先生から簡単(かんたん)な自己紹介(じこしょうかい)がありました。共同通信社に37年間勤務(きんむ)し、17年前に退職したこと。共同通信社はNHKや全国の地方新聞社に国内・海外のニュースを提供(ていきょう)している通信社で、一番、思い出に残る経験としては1969年に日本の南極観測隊が雪上車による極点旅行を成功させて、昭和基地に戻(もど)ったときに取材したことでした。

当時の記事や写真、そして南極の石をもってきて、参加者に披露(ひろう

)しました。

 

文章の書き方のポイント

 その後、先生は「今日は『忘(わす)れられないこと』について400字で書いてもらいます」と言われ、作文を書くために必要な基本的なことについて説明しました。その7つのポイントのうち3点を紹介します。

 

5W1Hを忘れないこと

 一つは「5W1H」です。「いつ」「どこで」「だれが」「なにを」「なぜ」「どうやって」の6つのことを文章に入れること。そうすれば自分の思いは相手に伝わります。

二つめは、できるだけ文章を短く区切ること。句読点のないダラダラな文章は書かない。

三つめは、場面や内容が変わるときは、行をかえること

これを実行すると、読む人にわかりやすい文章ができるという説明でした。

 

上達するためには何回も書くこと

「文章を上手に書くためにどうしたらよいですか」という質問をよく受けますが、プロ野球の松井選手やイチロー選手は毎日、素振(すぶ)りをしていたように、とにかく何回も書くこと、そのためには日記をつけるとよいというアドバイスが先生からありました。

 

質問力と疑問(ぎもん)を持つこと

ジャーナリストになるためには「文章を書くことのほかに何が必要ですか」と、先生から学生に質問がありました。学生の一人が「質問をすることです」と答えました。すると先生は、さらに「質問するためには何が必要ですか」と問われ、学生から「疑問を持つことです」と発言がありました。先生は「すごい。見事」と、的確な回答がすぐ出たので驚(おどろ)いていました。

 

好きなことを見つける

先生は小学生時代に北海道の札幌に住んでいて、北海道新聞社の見学に行って、新聞に興味を持ったこと、中学生時代は新聞部で学校新聞をつくったことが、ジャーナリストになるきっかけになったと、「好きなことを見つけ、追及(ついきゅう)していくことがこれからの人生で大切なことです」と話してくれました。 

 

「忘(わす)れられないこと」

 休憩(きゅうけい)のあと、400字の原稿(げんこう)用紙が配られ、学生たちは「忘れられないこと」というテーマで作文を書くことになりました。

学生たちは初めの数分間は、みな何を書いたらよいのかととまどっているようでした。先生が「忘れることができない思い出があるでしょう」と助け船を出すと、学生の一人は「たくさんありすぎる」と答えていました。小学生にとっては、すべての体験が頭にあって、そのうちの何を書いたらよいか、なかなか決めることができなかったようです。

しばらくすると、書くことが決まったようで、みな一生けん命、書き始めました。

 

「ここをこうしてみたら」

 30分もたつと書き終わり、先生に提出する学生が出てきました。先生は、すぐに作文を読んで、「ここをこうしてみたら」というアドバイスをし、書き直す学生もいます。

 45分後には、ほぼ書き終わったので、先生は「一人づつ読んでもらおうかな」と提案しました。しかし「いやだ」「恥(は)ずかしい」と反対の声があがったので読まないことになり、次回までに先生が添削(てんさく)することになりました。

 

 家族の人に質問して話を聞く

 質問をする力をつけるため、家族の人に、だれでもいいから質問をして話を聞いてくる。 それをもとに次回は作文を書くことになりました。

(文と写真=宇野次郎)

 


〈 「ジャーナリストになってみよう」第2回  〉

 

11月28日(土)  14:00-16:00

 

ゼミ学習Bの2回目、8名の学生全員が参加した。

 

 

 家族へのインタビューを作文に

 

2回のゼミ学習では、1回目に宿題として出した「家族へのインタビュー」を基(もと)に400字で文章を書いてもらった。8人の学生は、約40分かけて書き上げた。なかには早く書き上げた学生もいた。講師(こうし)が目を通して、同じ言葉を繰(く)り返し使っている点などを指摘(してき)し、書き直す場面もあった。

画家、吉屋敬(よしやけい)さんについて説明

 

8人の学生たちは、1週間後(12月8日)に予定されている第4回授業「名画に隠(かく)されたメッセージ」を担当(たんとう)するオランダ在住(ざいじゅう)の画家、吉屋敬先生に特別インタビューをすることになっている。

 

このため休憩(きゅうけい)後、吉屋敬さん自身が描(か)いた絵のカラーコピーを数枚配り、その絵を見ながら吉屋先生はどんな人なのかを説明した。

 

吉屋先生は、小学4年生のときに絵画教室でゴッホの画集を見たことがきっかけで、自分も絵描きになろうと決意し、1965年、20歳のとき、オランダに留学(りゅうがく)した。

 

ハーグの王立美術(びじゅつ)アカデミーなどで学んだあと、1973年、故(こ)ユリアナ女王の戴冠(たいかん)25周年記念特別肖像(しょうぞう)画展に日本人として招待(しょうたい)され、肖像画2点を制作(せいさく)、出品した。ところが女王の顔の描写(びょうしゃ)がリアルすぎて、しわが多かったため、入選はしなかった、という。

 

 インタビューでは、「こんなことを聞いたら失礼になる」などと考えず、思ったことは遠りょせず、ズバリ聞くこと。前の人が質問(しつもん)したことにつなげて、さらに質問を深めていく、ことが大切であると説明。どんな質問をしたらよいか考えることを宿題とした。

 

(文責・横川和夫)

 

吉屋敬  三連画「葡萄の下で 2008年」
吉屋敬  三連画「葡萄の下で 2008年」(55x45㎝)x3
吉屋 敬 「月夜のピエロ 2007年」
吉屋 敬 「月夜のピエロ 2007年」(60x70㎝)

 

〈 「ジャーナリストになってみよう」第3回 〉

 

 116   14:00-16:00 ゼミ学習Bの最終日、8名の学生全員が参加した。

 

 

 家族へのインタビュー作文で、見出し付け

 

2回のゼミ学習では、「家族へのインタビュー」を基(もと)に書いた作文の添削(てんさく)したのを、一人ひとりに読み上げてもらった。それに対して、講師(こうし)が文章の書き方について問題点を指摘(してき)した後、どんな見出しをつけたら、その記事を読みたくなるかを対話しながら考えてもらい、見出しを付けていった。

 

作文の大半は、「お父さん」「私(わたし)の父」と、タイトルだけだった。これだけでは、どんなことが書いてあるかわからない。講師は「どんなお父さんなのか」「どんなことを書いたのか」を、学生たちとやりとりしていく。そして「翻訳(ほんやく)で忙しいお母さん」「“野菜は愛情(あいじょう)”と祖父(そふ)」「父の考える日米の自動運転の違(ちが)い」といった見出しが出来上がった。

 文章では改行が大切、「わたし(ぼく)」、「思う」は使わない

 

読みやすい文章を書くための基本(きほん)として①改行をする②句読

 

点(くとうてん)のない文章をダラダラ書かない、できるだけ短く切る③「私(僕)は…」「…と思う」といった言葉を繰(く)り返し、使わない、ことなどが指摘された。 

 

<休憩>

吉屋敬先生は授業で何を伝えたかったか

 

学生たちは126日の授業「名画に隠(かく)された秘密(ひみつ)~フィンセントのメッセージ~」で、吉屋敬先生は何を伝えたかったか、そのあとの先生とのインタビューで聞いたこと、という2つをテーマに、それ(ていしゅつ)してもらっていた。

 

その原稿に講師と学生たちが話し合いながらつけた見出しは―

 

「ゴッホを助けたのは弟だけ」「日本にあこがれていたゴッホ」「苦痛(くつう)だったゴッホの人生」「ゴッホが大好きな吉屋先生」「耳を切る不思議なゴッホ」「心に残ったゴッホの性格(せいかく)」「家族への信頼(しんらい)、共感を絵で」「自分の絵は売れると予言」

 

吉屋 敬先生へインタビュー
吉屋 敬先生へインタビュー

 

 

 吉屋敬先生へのインタビューでわかったことは

 

 吉屋敬先生に対するインタビューは、ゴッホについてよりも先生自身が描いた絵について集中した。2回目のゼミ学習で、学生たちは講師から吉屋先生が描いた絵のカラーコピーが渡(わた)されていたからだ。「なぜ顔をピエロにしているんですか」「目の色が緑なのはなぜ」といった核心(かくしん)を突(つ)く質問から、「絵を描きたくないなあと思ったことはないですか」という鋭(するど)い質問も飛び出した。そのインタビューを基にした記事は、A3の4ページの新聞になって2月27日(土)の最後の授業で全員に配られた。

 

(文責・横川和夫)

 


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